Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

2018-01-01から1年間の記事一覧

落語って福引か福袋のようなもの

志の輔の落語に『ガラガラ』という商店街での福引をテーマにした傑作があるが、年の瀬の福引と正月一斉に発売される福袋は日本独特の慣習らしい。 落語も福引か福袋のようなものだ。先に金を払って何が出てくるかはお楽しみ。ホール落語とか独演会が福引かな…

師走の定番は芝浜じゃないと思うんだ

年末になると必ずかかるのが『芝浜』だが、さて、これを初めて聞いて、年末や12月に相応しい噺だと思う人はどのくらいいるのだろう。この話に年の瀬の描写は最後にチョコッと出てくるだけだ。 他にも年末っぽい噺はたくさんあるのにこの話だけスポットが当た…

すぐその気になる落語の住人がちょっと羨ましい

与太郎も若旦那も清三も留さんも、誰かに言われてすぐに''○になろう!''と行動しちゃうのがスゴイ。行動しないと話が進まないじゃん、というツッコミはおいといて、与太郎はおじさんに言われると道具屋にも厄払いにも婿にだってなっちゃう(ろくろっ首)。働き…

素人と玄人の違いはどこ?

今日は素人の英語落語の会があったので1時間ばかり聴いてきた。で確信した。英語が上手いのと落語が上手いのは全然関係ないんだな、と。そりゃそうだ、落語家は皆日本語上手く話せるが全員が落語の名手ではないのと同じこと。 も一つ確信できたのは素人と玄…

落語の中の習い事いろいろ

落語には今ほとんど流行ってない習い事が頻繁に出てくる。義太夫(『寝床』など)、浄瑠璃(『軒付け』、『猫の忠信』など)、清元(『稽古屋』など)と、文字では知っていても実際に聴いたことがある、やったことがある、という人は皆無に近いのではないか。 頻繁…

落語ー哲学という本読んだけど

本当につまらなかった。哲学者と噺家の名言を引用してるだけで独自の切り口何もなし。 こういうのが紙の無駄と言われる本だと思った。ずーっと前、落語で経済学を学ぶという本(タイトル忘れた)読んだが、あれと同じ感じ。もっともらしい事書いてるが全然共感…

師匠と弟子って不思議

落語家になるには落語家に入門しなければならない。立川流はちょっと違うが、それでも弟子が“この人につきたい!”とはいってくるのは同じだ。 が、どの落語家が誰の弟子、ということが分かると首を傾げるのもある。 林家木久扇が最初は桂三木助の弟子と知っ…

志の春第6回英語落語見てきました

では感想を箇条書きで。 ———————— • 『金明竹』前半はそのまま訳してて成功だったと思う • ただ祖父と与太郎にしたのはどちらも演じ分けが微妙だったので、普通に伯父さんにした方がよかった • 二席目、『権助魚』は奥様との会話等、面白くきけた • 魚屋との…

生まれ変わりと落語

化けるって今の子どもに分かるかなー、と以前書いたが、落語にもう一つ出てくるので分かるのかなーと思うのが、生まれ変わりだ。 『元犬』とか『仏馬』が有名だが、叶わぬ恋の最中に恋人たちが、生まれ変わったら今度こそ一緒に!と言い交わす場面は歌舞伎、…

二次元落語

古典、新作、と大雑把に分ければ2種類しかなかった落語に、この頃新しい流れが出たように見える。いわゆる二次元落語だ。 要するに、漫画やテレビ番組を元に二次創作したものだ。今月上野鈴本でやってた三遊亭白鳥のガラスの仮面落語とか、柳家喬太郎が演じ…

体調バロメーターにも落語はなるよ

落語大好きな私だけど聞きたくない時もたまにある。 そういうときは、ほとんどが注意力が散漫なとき。あれこれやらなきゃ〜、しなきゃ〜、やってないことイッパイ〜、って心境の時はあまり噺家の声が入ってこない。が、不思議なものでそういうときでも結構好…

落語とクラシックコンサートの違いって?

この間、久しぶりにクラシックコンサートに行って、落語会と全然違うなぁ、と思った事があるので箇条書で紹介したい。 • 拍手全力!毎回演奏終わるたびに客席から鳴り響く拍手&時々ブラボー! 落語会でも寄席でも面白くないと拍手はまばら。中には一回も手を…

聴き比べができる噺

落語の中には誰がやっても面白く、若手だろうがベテランだろうが受ける噺がある一方、同じ噺なのに演じる落語家でこんなに違う⁈ 、というようなのもある。 前者の代表は『時そば』だろうか。若手が時々間を外すことはあるが、噺の作りががっちりしてるため、…

落語スイーツランキング

ふと落語に出てくるお菓子で食べたくなる順ランキング作ってみたくなった。 1. 幾代餅 2. 茶店の団子(猫の皿のはちょっと勘弁) 3. みたらし(蜜は舐めずに) 4. 飴(ばっちい手で触んな) 5. 焼き芋(先代六兵衛さんのがいいな) 番外:黄金餅(食べたら祟られそうだ…

涼しい落語

暑い…。連日の暑さの中、せめて涼しい噺が聞きたいが、太め落語家が連続で出てきたらヤだなー。『青菜』ばかり聞かされるのも避けたい。怪談を除くと涼しい噺って案外ないものだ。『船徳』は川に出てからの描写がちょっと涼しいと感じるくらいだし。『弥次郎…

鰻の噺はいいなぁ〜

鰻が大好きなせいか、鰻が出てくる噺も好物だ。『鰻の幇間』、『後生鰻』、『鰻屋』、『素人鰻』…。確か『軒付け』や『猿後家』にも鰻が出てくる。今も昔も鰻=ご馳走、って何気にすごいことなんじゃないだろうか。江戸の人も明治の人も昭和の人も同じ噺を聞…

歌丸さんの思い出(多すぎるので箇条書きで)

• 『質屋蔵』を初めて歌丸さんので聞いてファンになった • 『鍋草履』を聞くたびによせ豆腐が食べたくなる • 国立演芸場で聞いた『豊志賀の死』は怖かった • 『鰍沢』も怖くて寒さを感じる程良かったけど、ラストの静まりかえってる中、着メロ(それも崖の下…

ライブはやっぱり面白いな〜

昨日は久しぶりに新宿末広亭に行って、何か面白い噺が聞けないかなと桟敷に座ってた。というかほぼあまり面白くなかったのでウトウトしていた。何人めだったか、泥棒の噺をし始めて少したった頃、いきなり楽屋と高座の仕切りが開いて、前座がネタ帳見せに入…

化かす話って現代でもイケる?

落語家がよく枕で言うのは、現代と昔で生活様式が違うので、特に学校寄席等では説明が難しい、面倒だ、と。確かにへっつい、蚊帳、行灯、なんてのは説明しながら落語するのはおっくうだと思うが、別にへっついが分からなくても話の筋にはそんなに影響ない。…

寄席の日って何とかならない?

今年は6月4日が寄席の日なので上野鈴本演芸場に行ってきたが…、木戸銭が1,500円になってた以外は普通の寄席と何ら変わらなかった。何年か前は団扇とか配ってたがもうやめたのだろうか。 何とかの日は毎日ある。メジャーなものからマイナーなものまで。で、多…

中村仲蔵が嫌いだ

志の輔の公演をみれば好きになれるかと思ったが、益々嫌いになった。前半では寝てしまったし後半の噺になってもウトウトしてしまった。退屈な講義を受けてる感じ。 落語に解説はいらない。面白いか、面白くないかだ。何で歌舞伎の世界の話というだけであんな…

生き残る新作、消える新作

新作落語の中には『ストレスの海』や『みどりの窓口』など作った当初から受けて今もなお受け続けてるものと、消えていくものがある。 この違いは? ひとつは笑いのポイントが普遍的だということ。前者は配偶者へのグチ、後者は仕事へのグチがベースになって…

オタクとファンの違い

落語オタクと落語ファンでは何が違うのだろう。昨日の浅草演芸ホールでも落語家側からいちいち演目をメモする客が揶揄されてた。やはり高座から客が何してるかは良く見えるとみえる。 オタクとファンの違い、それは噺家が嫌がることをするかしないかという一…

聴きたくない噺もあるなぁ、そういえば

自分が江戸っ子でないせいもあるが、あんまり田舎者を馬鹿にする噺は正直好かない。例をあげると『百川』、『棒鱈』など。特に百川はベテランがやると聴きやすくて気持ちよく笑えるが、若手が掛けると、これでもかというばかりに田舎者!という感じを前面に…

聴きたい話がかからない…

本で読んだだけとか、1回寄席で聴いただけとか、もう一度聞いてみたい話はたくさんある。 が、残念なことにそういう話に限ってCDにはなっていない。あーあ。聴きたいのは例えば『仔猫』、『五目講釈』、『なめる』など、地味もしくはやりにくい噺だ。どうし…

まくらは難しい

落語は話の始めに大抵まくらを振る。落語に入りやすくするためだが、これが案外難しい。まくらで盛り上がりすぎると、肝心の落語がつまらなく感じてしまう。二つ目とか新人が犯しやすいミスだ。ちなみに、なぜ若手のまくらが面白いかというと、彼らが本気で…

落語と花見

落語に花見の噺は多い。長屋の花見、花見の仇討ち、花見酒、百年目、頭山などなど昔から日本人は花見を楽しんできたんだろうなーと思わせる噺ばかりだ。 桜の下で一献という、いつもながらの花見もいいが、頭の中で満開の桜を思い描きながら落語を楽しむ寄席…

具合が悪い時に聴きたい噺

今具合が悪いので、こういう時に聞きたい話はないか考えてみた。まずホラーとサスペンス系は勘弁。『もう半分』や『黄金餅』を聞いたらうなされそうだ。食べたり飲んだりする話も同じく却下。『試し酒』とかは聞いているだけで吐きそう…。すーっとする話がい…

震災の落語、求む!

神戸の震災の際も東北の震災の際も、多数の落語家が現地に赴き被災者の為に落語会を行った。落語は聞くと良く眠れるので、火災や余震等、不安におののく方々には役に立ったと思う。 が、落語の力はそれだけではない。 『与太郎戦記』という春風亭柳昇の本に…

歌う落語がもっとみたい!

音曲噺といって、落語の中に効果音として太鼓、三味線が入る噺がある。『七段目』、『稽古屋』、『軒付け』など上方の噺が多い。落語の中で音楽はこういう風に使うものだと思ってたが春風亭柳昇の『カラオケ病院』を聴いて考えを変えた。やればできるじゃん…