Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

年寄り扱いに意地でも抵抗する定年オジサンの落語

88.明日に架ける橋(柳家喬太郎)


定年というのは残酷な制度で昨日まで課長、部長として活躍していたサラリーマンでもばっさりとお役御免になってしまう。周囲も隠居扱いするが、平均寿命が80歳代まで延びた日本で定年イコール年寄りと納得できる者はそういないだろう。そんな定年オジサンの抵抗というか反抗?に焦点を当てた珍しい噺がこれだ。ちなみにタイトルはサイモン&ガーファンクルの名曲にちなんでると思われるが内容は全く関連していない。

ストーリーは、定年&還暦を祝われたお父さんが定番の赤いちゃんちゃんこを着るのを拒否して昔の同僚と飲みに行く途中、通りかかった川に白線流しよろしく思い入れのある背広を繋いで流すが、同じような定年同士が集まってきてちょっとした騒ぎになり…というもの。

ともすればお父さんたちの愚痴で終わりそうな内容だが、場面を家庭、川、会社シチュエーションで接客してくれる酒場と変えて変化をつけてるのはさすが。オチは若干ファンタジーっぽいが、上手くまとまった噺だと言える。

オススメ度 ★★★★


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