Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

聴き比べができる噺

落語の中には誰がやっても面白く、若手だろうがベテランだろうが受ける噺がある一方、同じ噺なのに演じる落語家でこんなに違う⁈ 、というようなのもある。

前者の代表は『時そば』だろうか。若手が時々間を外すことはあるが、噺の作りががっちりしてるため、聞いてる方にも安心感があり、気楽に聴けるしそこそこ受ける。男二人の会話というのも演じ手にとってはきっと楽なのだろう(女性とか子どもは割と難しい)。

 

違いが出やすい噺とは…いろいろあるが、『目黒のさんま』もその一つかもしれない。以前、目黒のさんま祭りで三席別々の噺家でこの話を聞いたが、同じ噺の筋、くすぐりもほとんど変わらないし、全て二つ目が演じてたのに、面白く聞けた回とそうでない回があったのに驚いた。

思うに、殿様、家来、百姓という身分の差を声だけで演じ分けるのが難しいのだろう。誰にでもタメ口きいても死罪にならない平成の世が仇になってるかもしれないな。