Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

英語で言葉遊びを楽しむ落語

53.ヘイ!マスター(桂文珍) 古典落語を英語に翻訳して演じる噺家は増えてきたが、この噺は英語を使ったシャレの趣きが強い創作落語でかなり珍しい。英会話苦手な人でも笑えるように作られていて分かりやすいのがいい。 ストーリーは海外で和食屋に入った客と…

プレゼントが家族内カーストを炙り出す⁈爆笑落語

52.ディアファミリー(立川志の輔) 勤続記念に会社から鹿の頭の剥製をもらったお父さん、置き場がすぐには見つからないので押入れに入れようとするが、お母さんにもう一杯だからダメ!と言われてしまう。何が入っているのか聞き出していくうちに自分のものが…

デートと別れ話の定石を覆すパワー落語

51.想い出芝居(柳家喬太郎) SWAファイナル公演の為に作られたブレンドストーリーだが、この噺単独で聞いても本当に面白い! デートしているカップルが実は今日別れる予定で…という設定もびっくりだが、更に初デートと同じことをしたいという彼女の希望に無理…

高齢ホストクラブ体験を落語にすると?

50.じいちゃんホスト(桂三枝/現・桂文枝) 高齢化の波がホストクラブに押し寄せるとどうなる?という疑問を素直に形にした落語。定年退職して毎日家にいる夫にうんざりした専業主婦の妻が女友達に愚痴をこぼすと、気晴らしにホストクラブに行くことを勧められ…

伝記を落語にした先駆け的落語

49.新・彦六伝(林家木久蔵/現・林家木久扇) 伝記は小学生の読書感想文の課題図書になったりしてるため、苦手になって遠ざかる人が多い。が、伝記に含まれる偉人のエピソードは皆大人になっても大好きだ。 落語はそういうエピソードを繋げて娯楽物に仕立てる…

結婚相談所での噛み合わない会話を落語にすると…?

48.結婚相談所(昔昔亭桃太郎) 今は結婚相談所もネットで無料登録が主流だろうが、一昔前は(もしかしたら一部では今も)登録しにきた人にカウンセラーが質問して必要な情報を聞き出した後に紹介していた。これは多分その当時に作られたもので、シチュエーショ…

病院怪談と都市伝説をブレンドした面白落語

47.奥山病院奇譚(三遊亭白鳥) ヘンな思い込みして突っ走る人物は落語には事欠かないが(例:野ざらし)、幽霊のキャラクター設定にしたのはこの噺ぐらいではないだろうか。 病院長から、給食センターに勤めてた思い込みが激しいヨシエさんが救急車が間に合わず…

願いが叶った為に起こる悲劇が笑える落語

46.人生が二度あれば(春風亭昇太) あの時ああ言っていたらとか、もしあの日間に合っていたらなどと思ったことがない人はいないと思うが、もし時間を巻き戻してやり直すことができたらどうなる?というのがこの落語だ。 ストーリーは盆栽をいじりつつ過去を嘆…

自分の常識は世間の非常識!とショックを受ける主人公に共感

45.長島の満月(林家彦いち) 故郷から離れて暮らすうち、自分の中では普通だったけれど、ひょっとしてこれ常識でないのでは…と疑いを抱くのはよくあることだ。この噺は本人の体験を交えた自伝的な落語だが、こういう疑いや戸惑いが散りばめられているので客も…

血液型性格診断大好きな日本人のツボをつく落語

44.B型人間(三遊亭歌之介/現・三遊亭圓歌) 飲み会などで初対面の人に血液型尋ねるのは日本人だけと聞いたことがある。お陰であまり血液型に興味がない人でも、例えばO型はおおざっぱな性格の人が多い等とミニ知識が刷り込まれている。 この噺はそういうA/B/O…

嫁姑問題をスマートに解決する知恵と愛がこめられた落語

43.里帰り(春風亭柳昇) 嫁いだ娘が姑の悪口を里帰りの際言ってきたら、今はどうするのが普通なのだろうか?やはり離婚一択?それとも我慢しろと説得? 娘が久しぶりに里帰りしてきたと思ったら姑への鬱憤を言いだして止まらない。聞いていた父親は仰天の解決…

ガン告知も落語になるよい時代

42.財前五郎(五明樓玉の輔) 病院とか医師看護師はよく新作・創作落語に出てくるが、やはり題材として扱いやすいのだろうか。そういえば古典落語にも医者の話は多い。病気には皆関心が高いので注目を集めやすいのだろう。さすがに出てくる病気は現代的になっ…

ゆるキャラ&中の人を巡るドタバタ落語

41.モモリン(立川志の輔) 新作・創作落語を聴いていると、ときどき何でこんな面白い筋書き考えついたのだろう?と唸らせるスゴイ噺に出会うことがあるが、これもその一つだ。 県大会予選に出る市のゆるキャラ、モモリン(中の人は学生)を激励に来た市長が出来…

野球礼賛しないヘンな野球落語

40.ホームランの約束(春風亭百栄) 野球選手がよくやるファンサービスを題材にしたちょっとブラックな新作落語。ストーリーはチームの方針で病院慰問に来た人気野球選手が、子どもに愚痴を言いながらサインボールを渡そうとして断られる。実は野球ファンは同…

英才教育された小学生力士の人生落語

39.力士の春(春風亭昇太) プロのスポーツ選手や芸能界で活躍している人たちの中に、小さな頃から英才教育を受けてきた人が山ほどいると思うが、もし力士でいたとしたら?というのがこの噺のキーポイントだ。 相撲取りにするために毎日ちゃんこにしたり日本酒…

一般人には分からない駅格差に注目した面白鉄道落語

38.東急駅長会議(夢月亭清麿) 東京は主な移動手段が電車のせいか、都民はある程度駅名に馴染んでいる。が、駅に優劣があると思っている人はそれほどいないだろう。 この噺では、東急の駅長たちが月一回集まって会議するという設定になっており、急行停車駅の…

聞いてて面白い大阪弁を落語にして面白さ倍増

37.大・大阪辞典(桂文枝) 大阪弁は多分日本で一番有名な方言だと思うが、おばちゃん2人が大阪弁で話しているのを聞いててもまんま落語になるなぁと思わせる力がある。この大阪弁を正面からとらえて創作落語にしたのがこの噺。 転勤で大阪に一緒に行ってほし…

笑えるレストランイメチェン失敗新作落語

36.マキシム・ド・のん兵衛(三遊亭白鳥) 古典落語の''真似して失敗”様式(普段の袴などが例)で作られた新作・創作落語は割と多いが、この噺はメインを年寄り夫婦にしたところが賢い。 ストーリーは、流行らない居酒屋をしている老夫婦が、もうやめて老人ホー…

予想裏切る展開の連続が爆笑を呼ぶ怪作

35.諜報員メアリー(柳家喬太郎) 通常、落語の観客はどういう展開になるか予想しながら聴いている。マクラや出てくる登場人物の会話なんかで、滑稽話なのか人情話か、仕事場の話か家庭内の話か等々を判断しているわけだ。逆に言うと、こういう予想がしにくい…

大阪のおばあちゃんをよーく観察してできたオモロい落語

34.老婆の休日(桂文珍) 割とシビアな内容でも何故か関西弁で語られると抵抗なく受け入れられる、というのをよく分かって作られた、ある意味あざとい落語だ。噺はおばあちゃん同士の会話で進むが、回想や愚痴がテンポよく並べられ、その都度笑わされる構成に…

夫婦の日常会話がそのまま落語になる面白さ

33.はんどたおる(立川志の輔) 夫婦の会話は自分たちが交わしている分はそうでもないが、他人のを聞くと大概意外性があって面白い。ストーリーは、シュークリームを買ってきた奥さんに旦那が何故?と問うところから始まるが、奥さん側では筋が通っている説明…

嫁姑のカギを巡る家庭内バトル落語

32.あいかぎの変(露の紫) 2(5)ちゃんねるにも発言小町にも溢れている嫁姑のバトルだが、実は古典落語でほとんど扱われてない。この噺では合鍵を巡って嫁からの文句と姑の応酬、二人に挟まれた旦那の苦悶がコミカルに描かれていて、こういう現代的かつ日常的…

いかにもなオジサンキャラクターの存在感がスゴいリーマン落語

31.夜の慣用句(柳家喬太郎) 上司が部下を連れて飲みに行く、というよくあるシチュエーションだが、部下に対して座右の銘は?としつこく聞くウザイおじさんキャラを主役にしたのがこの噺の肝だ。 居酒屋で飲みつつ部下に座右の銘を聞くが、棚からぼたもち等適…

''掛け言葉”を使い倒す秀逸な落語

30.掛け声指南(林家彦いち) ボクシングのセコンドという珍しい職業が出てくるあまり類のない設定。タイからセコンドになりに来た青年、しかし日本語の壁が厚くガンバレ!しか言えない為、もう国に帰れと言われてしまう。なんとか猶予をもらい、アドバイスに…