Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

化かす話って現代でもイケる?

落語家がよく枕で言うのは、現代と昔で生活様式が違うので、特に学校寄席等では説明が難しい、面倒だ、と。確かにへっつい、蚊帳、行灯、なんてのは説明しながら落語するのはおっくうだと思うが、別にへっついが分からなくても話の筋にはそんなに影響ない。何なら昔のIHコンロと言い換えても問題ないと思う。

 

問題なのは落語のバックグラウンドの共通認識がなくなることの方だ。例えば落語には権平狸、狸賽、王子の狐、七度狐など狸や狐に化かされる話が沢山あるが、これは''狐や狸は人を化かすものだ、騙すものだ”という共通認識、文化があってこそ成り立つ。さて、今の子どもはどうなんだろう。騙す、と聞いてオレオレ詐欺を連想するのではないだろうか?

子ども向けに寿限無ばかりやっていると、こういうバックグラウンドがどんどん失われて、また演じられない話が増えていくのではと不安になる。