Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

''掛け言葉”を使い倒す秀逸な落語

30.掛け声指南(林家彦いち)


ボクシングのセコンドという珍しい職業が出てくるあまり類のない設定。タイからセコンドになりに来た青年、しかし日本語の壁が厚くガンバレ!しか言えない為、もう国に帰れと言われてしまう。なんとか猶予をもらい、アドバイスに従って街で人々を観察しボクシングで使えるような日本語がないかと探すものの…というのがストーリー。応援したい!というパッションはあるものの、言葉遣いを間違えて失敗ばかりする姿に笑わずにはいられない。が、ジムに帰ってセコンドをやってみると、その失言がすべてひっくり返ってプロフェッショナルなアドバイスになると言う展開がすごい!

通常の古典落語では、例えば与太郎が誰かの真似をして失敗するところで笑っておしまいとなるが、この噺では逆の構成になっている。笑点でお馴染みの、〜とかけて〜ととく、そのココロは?という掛詞遊びがあるが、その回答にはたいてい二つの意味がかかっている。この掛詞の手法を最初からオチに至るまで徹底的に取り入れているのがこの噺の素晴らしいところだ。ボクシングを知らなくても笑える秀作である。

オススメ度 ★★★★★


CDあります

https://www.hmv.co.jp/artist_SWA-林家彦いち-三遊亭白鳥-春風亭昇太-柳家喬太郎_000000000413869/item_SWAのCD-2006-夏休み_3877604


DVDもあります

SWAのDVD https://www.amazon.co.jp/dp/B001UFGYPO/ref=cm_sw_r_cp_api_glc_i_3TFB99CE8GYT0W5NXJ2S