Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

特定日イベントの落語化を見事にクリアした好作

22.白日の約束(柳家喬太郎)


落語に特定の日のイベントはなかなか盛り込みにくい。例えば古典落語の掛取漫才や初天神がそうだが、師走や正月のイベントを題材にしているせいで時節を外して演じにくくなっている。

この噺はホワイトデーを絡めているが、イベント自体を前面に押し出していないため、それほど季節を気にせず軽く楽しめるようになっている。ストーリーは、彼女からバレンタインデーにチョコをもらった男が、会社のモテ男のアドバイスを受けてホワイトデーに何とか格好よく彼女をもてなそうとするが失言ばかりしてしまい…というもの。

ホワイトデーという、どう祝うのが正解かイマイチ共通認識の薄いイベントを取り上げたのが賢いところだ。これがクリスマスとかだと客側に個々の思い出やある程度のコモンセンスがあるので、設定次第では噺に違和感を感じてしまったかもしれない。ホワイトデーだと誰もが詳しくないから、ああそんな風だろうなと聴ける。オチも3/14の別の出来事と繋げていてスマートだ。

オススメ度 ★★★★


CDあります

喬太郎落語秘宝館2 https://www.amazon.co.jp/dp/B001HK0EH6/ref=cm_sw_r_cp_api_i_033GF6V0W7MEQQ5GV8HK