Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

バスを待つイライラと夫婦の愚痴をうまーく落語にした秀作

64.バス・ストップ(立川志の輔)


東京だと都営バスがあと何分で来るのかは停留所に電光表示されてたりスマホでチェックしたりできるが、市や町の巡回バスだと時刻表なしで数十分間隔で運転されていることがある。待っている時の、あと何分でバスが来るのか分からないという苛立ちを経験してる人は多いはずだ。

この噺は仲人をする為正装した夫婦が、諸事情で車が使えずバスを待ってるところから始まる。なかなかバスが来なくてイライラするなか、お互いの準備不足を指摘しあって更に険悪になる二人。やっとバスが来たものの行き先を間違えてしまい…というストーリー。

正直結婚式場の場所もあやふやなまま、時間ギリギリで向かおうとする仲人はいないと思うが、この夫婦は割と似た者同士という感じで、この二人ならさもありなんというエピソードが描かれていて噺に説得力を持たせてる。朝早くに美容院で髪をセットしてもらったのに、タートルネックセーターを着て行ったせいで脱げずに困り果てる女房に文句言いつつセーターを切ってやる旦那の愚痴には笑わずにはいられないし、せっかく近所の仲間の車が通りかかったのに、普通に馬鹿話を交わして別れる旦那の間抜けさに唖然とする女房の姿は爆笑ものだ。何かの待ち時間に聴いてみればきっと面白さもひとしおだろう。

オススメ度 ★★★★★


CDあります

志の輔 らくごBOX https://www.amazon.co.jp/dp/B00006RTB3/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_4QJ9SSQ7639XXNC0FTTH