Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

みんなと違うと落ち着かない日本人気質を描いた落語

65.夫婦に乾杯(春風亭昇太)


よそはよそ、うちはうち!と思っても、自分の家庭が他と違うと言われると気になってしまうもの。特に日本人にはその傾向が強いと言われてる。その不安な気持ちをベースにしたコミカルな噺だ。

会社の商品ネーミング会議で頭を捻る社員たち。だが若手社員ひとりだけが孤独なお父さん向けというコンセプトを理解できないため、皆から夫婦関係についてツッコミを受け狼狽えてしまう。聞けば他の社員はラブラブな自分達夫婦と違って家に帰っても会話もないという。良い商品名を思いつく為には険悪な夫婦にならなきゃ!と斜め上の発想をした彼は、帰宅後奥さんに喧嘩を仕掛けるが…というストーリー。

無理矢理夫婦喧嘩を仕掛けるのに、ご飯のおかずが甘いとかビールをジョッキで出してくれないなどセコイことをあげ連ねるしかない器の小ささが笑える。ラストの展開も意外性があって上手い。他の噺家も高座にかけてるようなので、ぜひ寄席で聴いて楽しんでほしい。

オススメ度 ★★★★★


CDあります

SWAのCD 2007 - https://www.amazon.co.jp/dp/B003X03DBM/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_WB79EDS8B0ZA87HFMEG7