Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

ちょっとモラハラ入ってる?レトロな新作落語

81.かんしゃく(柳家小三治)


新作・創作落語はたいてい現代または江戸時代に設定されているが、これは大正っほいレトロさが漂う珍しい新作。

ストーリーは、邸宅に何人もの使用人と書生をかかえている社長、癇癪持ちで、帰宅のたびに玄関が片付いてない、蜘蛛の巣がはらわれてない等の不始末を見つけては怒鳴り散らす。たまりかねた奥様、実家に帰るが父親に諭されて開眼、次の日から手落ちのないように使用人と書生を切り回し、社長が帰ってきたときには小言のタネがないようにしてみたところ…というもの。

演じてる最中ほぼ怒鳴りっぱなしという落語家の声量が試されるような噺だが、怒鳴るのを聴いててもこっけいで笑えるのが不思議。内容は今だとモラハラっぽいが、時代背景をちゃんと冒頭で説明しているのが上手いしオチもスッキリ。もっと色々な噺家にやってもらいたい秀作だ。

オススメ度 ★★★★★


CDあります

落語名人会(39)~柳家小三治15 提灯屋/かんしゃく https://www.amazon.co.jp/dp/B00005G6XT/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_0AV0BMK34Y59BZZ01KYB