Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

昭和なお父さんの夢を詰め込んだファンタジー落語

56.オヤジの王国(春風亭昇太)


家庭でないがしろにされるお父さんの悲哀って物語にしやすいのか、よく新作・創作落語で取り上げられているが、更にこの噺ではファンタジックに一捻りしてるのが特徴。

疲れて帰ってきても夕飯に余り物しか用意してもらえない上、妻と娘にも構ってもらえないお父さん。腹立ちまぎれに押入れ開けたらなんとオヤジだけの王国に通じていて、オヤジ仲間に歓迎されたお父さんは感激…というストーリーなのだが、王国で叶うお父さんたちの願いがささやかすぎて笑える。寝タバコやごろ寝はともかく昔のジャイアンツ勝ち試合だけ観戦とか、わざわざ息子役を雇って説教など思わず同情してしまうレベルの願いが叶って喜色満面なお父さんが面白い。オチもタイトルに掛けてスッキリ決まっており楽しく聴ける落語だ。

オススメ度 ★★★★★


CDあります

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