Rakugolover’s blog

落語について色々語ります

大阪のおばあちゃんをよーく観察してできたオモロい落語

34.老婆の休日(桂文珍)


割とシビアな内容でも何故か関西弁で語られると抵抗なく受け入れられる、というのをよく分かって作られた、ある意味あざとい落語だ。噺はおばあちゃん同士の会話で進むが、回想や愚痴がテンポよく並べられ、その都度笑わされる構成になってる。病院での若いドクターに舌見せてと言われたのを勘違いして恥ずかしがる様などは爆笑もの。

でもこれを標準語で演じたら、多分シリアス気味になって全然受けないと思われる。例えば、ご飯を食べたのを忘れてしまうので、夏休みのラジオ体操のように食事の後でハンコを押すよう息子の嫁さんに強要されたくだりなどは、東京の噺家がやったら虐待を受けてるかのようになるかもしれない。つくづく関西弁は落語向きの言葉だと感心する。

オススメ度 ★★★★★


CDあります

桂文珍(5)「老婆の休日」/「ヘイ!マスター」-「朝日名人会」ライヴシリーズ7 https://www.amazon.co.jp/dp/B00005HY79/ref=cm_sw_r_cp_api_glc_i_E0SSMVR8R5K0PBDP5DGY